iPadをSteam Deckのモニターにする4つの方法(2026年)
iPadをSteam Deckのモニターにすると、Steam Deck本体より大きく精細な画面で遊べます。しかも、iPadならすでに持っている人も多いはずです。では、ケーブルを挿すだけでiPadをSteam Deckのモニターとして使えるのでしょうか。実は、それだけでは映りません。映像をiPadに届けるしくみが別に必要です。2026年の時点で、その方法は4つあります。それぞれに必要なもの、費用、設定方法を解説します。
| 方法 | ほかに必要なもの | ネットワーク | 費用 |
|---|---|---|---|
| TypeScreen | なし | プレイ中は不要 | 無料 |
| キャプチャーボード | ハブ、キャプチャーボード、HDMIケーブル | 不要 | 約50〜240ドル |
| Steam Link | なし | Wi‑Fiまたは有線LAN(遅延はネットワーク次第) | 無料 |
| Moonlight | Steam DeckにDeckyのプラグイン | Wi‑Fiまたは有線LAN(遅延はネットワーク次第) | 無料 |
機器の価格は、2026年10月時点の米国のストアでの価格です。
iPadはSteam Deckのモニターとして使える?
使えます。ただし、普通のモニターと同じようにはいきません。Steam DeckのUSB‑Cポートは、DisplayPort 1.4 Alt Modeで映像を出力します。一方、iPadのUSB‑Cポートも映像を出力するためのもので、Appleは外部ディスプレイをつなぐポートとして説明しています。映像の出力どうしをつないでも、画面は映りません。
iPadが受け取れるのはUSBカメラの映像です。iPadOS 17以降、アプリは外部のUVCカメラを使えるようになりました。そのため、iPadをSteam Deck用に外部モニター化する方法は、カメラとして認識されるキャプチャーボードを通すか、ゲームをアプリにストリーミングするか、TypeScreenのように映像をデータとしてUSBで送るかのどれかになります。
1. キャプチャーボードでiPadをモニターとして使う
キャプチャーボードは、Steam DeckのHDMI出力をUSBカメラの映像に変換します。それをiPadのアプリで全画面に表示します。
必要なもの:
- USB‑C端子を備え、iPadOS 17以降を搭載したiPad
- Steam Deck用の、HDMI付きのUSB‑Cハブまたはドック:約35ドル。Valveのドックは79ドル
- UVCデバイスとして動作するHDMIキャプチャーボード:約15〜160ドル
- HDMIケーブル
- 表示用のアプリ:Orion、Genki Studio、Elgato Captureなど
つなぎ方:ハブをSteam Deckに、HDMIケーブルでハブをキャプチャーボードに、キャプチャーボードをiPadにつなぎます。表示用のアプリを開いて、カメラへのアクセスを許可します。iPadOSにとって、キャプチャーボードはカメラだからです。
デメリット:買いそろえて持ち歩く部品が4つ増えます。ハブがSteam Deckの唯一のUSB‑Cポートをふさぐので、プレイしながら充電するにはパススルー充電に対応したハブが必要です。キャプチャーボードの多くは1080pで出力しますが、iPadの画面は16:9ではないため、黒い帯が出るか、拡大して表示することになります。余計な部品なしで使えるOrionアプリの代わりを探しているなら、方法4をご覧ください。
2. Steam LinkでSteam DeckをiPadにストリーミング
Steam Linkは、Valveの無料のストリーミングアプリです。Steam DeckはRemote Playのホストになれます。ValveのSteamOSのリリースノートにも「Steam Deck as the Remote Play host」という記述があります。そのストリームを、iPadのSteam Linkアプリで再生します。
設定方法:Steam DeckでRemote Playを有効にし、iPadでSteam Linkを開いて、Steam Deckを見つけてペアリングします。
デメリット:ゲームはネットワーク経由で届き(通常は自宅のネットワーク、外出先ではインターネット)、遅延はそのネットワークで決まります。一般的な家庭のWi‑Fiでは、私たちのテストでも遅延がはっきりわかりました。遅延を抑えるには、非常に高速で安定したネットワークが必要です。Valveは、iPadには5GHz帯のWi‑Fi、ホストには有線接続を推奨しています。ネットワークがなければ、そもそもゲームを遊べません。ホテルや電車、飛行機では困ります。Wi‑Fiがないときは「Steam LinkをWi‑Fiなしで使うには」をご覧ください。
3. MoonlightとSunshine
Moonlightは、無料のオープンソースのストリーミングクライアントです。Steam Deck側のサーバーにはSunshineを使います。SteamOSではDecky Sunshineプラグインでインストールするのが一般的で、それにはまずプラグインシステムのDecky Loaderが必要です。
設定方法:Decky Loaderをインストールし、Decky Sunshineを追加して、ゲームモードでSunshineをオンにします。次にiPadのMoonlightでSteam Deckを追加し、Moonlightに表示されるPINをプラグインに入力します。
デメリット:4つの中でいちばん手間がかかる方法です。Decky SunshineはSunshineをroot権限で動かします。2026年9月の時点で、このプラグインには、Sunshineのアップデート後に画面が真っ黒になる、起動しないといった未解決の報告がありました。また、Steam Linkと同じくネットワーク経由で届きます。私たちのテストでも遅延ははっきりわかり、Moonlightのガイドは遅延を抑えるために5GHz帯のWi‑Fi 5またはWi‑Fi 6を強く推奨しています。
4. USB‑Cケーブル1本でiPadをSteam Deckの外部モニターに
TypeScreenは私たちが開発したアプリで、まさにこのために作りました。iPadを、Steam DeckなどのSteamOS搭載の携帯型ゲーミングPCの有線ディスプレイにします。携帯型ゲーミングPCが映像をハードウェアで圧縮し、iPadの充電に使うのと同じUSB‑CケーブルでiPadに送ります。キャプチャーボードもハブも、プレイ中のネットワークも必要ありません。
必要なもの:iPadOS 17以降のiPad、ゲームモードのSteam DeckまたはほかのSteamOS搭載の携帯型ゲーミングPC、USB‑Cケーブル。
設定方法:
- iPadにTypeScreenをインストールします。無料で、まもなくApp Storeで配信予定です。
- iPadのアプリから、携帯型ゲーミングPCにTypeScreenを一度だけインストールします。開発者モードを有効にして「新しいホストをペアリング」を選ぶまで、アプリが順に案内します。この手順ではWi‑Fiを使います。
- ケーブルをつないで、iPadで「信頼」をタップします。ゲームモードなら、ゲームが自動的にiPadに表示されます。
これ以降はケーブルだけです。つなげば、すぐに遊べます。すべての手順はインストールガイドに、ケーブルの役割は「Steam Deckの画面をiPadに出力する方法」にまとめています。
いちばん手軽な理由:
- 買い足すものがない:アプリは無料で、ケーブルは手持ちのもので足ります。
- 毎回の設定がいらない:ネットワークもペアリングもハブも不要です。ケーブルをつなげば、ゲームがiPadに映ります。
- Wi‑Fiによる遅延がない:映像はケーブルで届くので、遅いネットワークや混雑したネットワークのせいで遅延が増えることはありません。
- どこでも使える:プレイ中はWi‑Fiがいりません。自宅でも、ホテルでも、電車でも使えます。
- お使いのデバイスに合わせて最適化:携帯型ゲーミングPCがiPadのディスプレイを認識して、解像度とフレームレートを選びます。ピンチすれば、iPadの画面いっぱいに表示できます。
どの方法を選ぶか
- 自宅でも外出先でも、いちばん手軽に使いたい:TypeScreen。ケーブル1本だけで使えます。
- キャプチャーボードをすでに持っている:OrionやGenki Studioと組み合わせて使えます。
- 自宅に高速な5GHz帯のWi‑Fiがある:Steam Linkなら追加の機器なしで使えます。
- ストリーミングの設定を細かく調整したい、Deckyをすでに使っている:MoonlightとSunshine。
iPadをまだ持っていないなら、大きな画面を手に入れるもう1つの方法はモバイルモニターです。比較は「モバイルモニターとiPad、Steam Deckにはどちらがいい?」にまとめています。テレビや据え置きのモニターにつなぐなら、「Steam Deckをモニターに接続する方法」をご覧ください。
よくある質問
iPadをSteam Deckのサブモニターとして使えますか?
はい。ゲーム用の大きな画面として使えます。iPadには、Steam Deckと同じ画面が映ります。TypeScreenならUSB‑Cケーブル1本で済みます。ほかの方法では、キャプチャーボードか、Wi‑Fiでのストリーミングが必要です。
iPad ProをSteam Deckのモニターとして使えますか?
はい。iPad Pro、iPad Air、iPad mini、iPadのどれでも、iPadOS 17以降ならTypeScreenで使えます。iPad Proの大きな画面はゲームにぴったりです。キャプチャーボードを使う場合は、USB‑C端子のiPadが必要です。
古いiPadでも使えますか? ケーブルは何が必要ですか?
iPadOS 17以降のiPadなら、Lightning端子のモデルも含めてTypeScreenで使えます。USB‑C端子のiPadには両端がUSB‑Cのケーブル(iPadに付属のもので大丈夫です)を、Lightning端子のiPadにはUSB‑C - Lightningケーブルを使います。
USB‑CケーブルだけでSteam DeckとiPadをつなげますか?
はい。両方にTypeScreenをインストールすれば、映像をケーブルで送れます。アプリがなければ、ケーブルをつないでも何も映りません。どちらのポートも映像を出力するだけだからです。
iPadをSteam Deckの画面にするのにWi‑Fiは必要ですか?
TypeScreenとキャプチャーボードなら不要です。映像はケーブルで届きます。Steam LinkとMoonlightはネットワーク経由(通常は同じWi‑Fi、または有線LANアダプタ)でゲームを送り、遅延はそのネットワークの速さと安定性で決まります。
Steam Deckの画面をiPadにミラーリングできますか?
Steam Deckには、画面ミラーリングやAirPlayの機能がありません。iPadにSteam Deckの画面を映すには、USB‑CケーブルとTypeScreenでつなぐか、ローカルネットワーク経由でSteam LinkやMoonlightを使ってストリーミングします。
iPadでSteamのゲームは遊べますか?
はい。ゲームはSteam Deckで動かし、iPadをその画面にします。TypeScreenならUSB‑Cケーブル1本で、Steam LinkやMoonlightならローカルネットワーク経由で遊べます。
Duet DisplayはSteam Deckで使えますか?
SteamOSでは使えません。Duet Displayのパソコン用アプリはMac版とWindows版だけで、Steam DeckのOSであるSteamOSには対応していません。TypeScreenなら、USB‑Cケーブル1本でiPadをSteam Deckの画面にできます。詳しくは「Duet DisplayはSteam Deckで使える?」をご覧ください。
無料ですか?
TypeScreen、Steam Link、Moonlightは無料のアプリです。キャプチャーボードを使う方法では、部品代が約50〜240ドルかかります。